概要
顔の皮膚を骨に固定している線維組織「リガメント」を利用して、たるみをリフトアップさせる方法です。
リガメントの下に硬めのヒアルロン酸やレディエッセを注入することで、骨に付いているリガメントを持ち上げることができるため、その先につながっている皮膚・脂肪・筋肉を全体的に引っ張り上げることができます。
イメージとしては、リガメントの直下に硬めのボリュームのあるものを注入することで、リガメントの下を支える突っ張り棒を作ってあげるようなものです。
それにより、ゆるみやたるみの改善ができることになります。
柔らかいヒアルロン酸では支える効果が期待できないため、深部にはレディエッセが最も適しています。または、ガルデルマ社のレスチレンパーレンを使用します。
リガメントとは
「リガメント」とは、顔の皮膚を骨に固定している線維組織です。別名「支持靭帯」とも呼ばれます。
船を海底に固定するためのアンカーのようなものと考えていただくとわかりやすいと思います。
リガメント付近の皮膚は、リガメントによって骨に固定されているため、老化現象がおこると、そのリガメントを境に皮膚や脂肪、筋肉などのダブつきによる「たるみや凹み」が目立つようになります。
リガメントアップリフトに使用するレディエッセ注射について
レディエッセ注射はアメリカの厚生労働省にあたるFDAの承認を取得している注入剤の一つです。 レディエッセの主成分は「カルシウムハイドロキシアパタイト」という人体の歯や骨を形成しているものと同じ成分でできており、純粋にカルシウムとリン酸からなる、異物反応を起こさないバイオセラミックになります。
ヒアルロン酸よりもやや硬く、柔らかい骨のような組織を形成する性質があるため、骨の代わりに充填できる物質で、その性質上、レディエッセは顎や鼻の輪郭形成に適している他、「リガメントアップリフト」のように骨に付いているリガメント(支持靱帯か)らしっかり持ち上げる施術に大変適しています。
レディエッセは、異物反応による肉芽腫形成等の報告はなく、アクアミドなどのような非吸収性注入剤とは大きく異なり、生体親和性の高い安全な注入剤です。
レディエッセ注入後の経過
注入後の経過は、カルシウムとリン酸の分子として2年ほどで分解吸収されますが、レディエッセには、注入した部位の周りのコラーゲン生成を促す性質があるため、レディエッセが分解吸収された後も生成されたコラーゲンによって、持続効果が長期間にわたって期待できます。(効果には個人差があります)
徐々に分解が進みますので、ある程度の量が吸収され、経時的な老化現象も含め、効果がなくなってきたと感じたタイミングで新たに必要な量を注入することをおすすめします。
長期安全性特性が実験的・臨床的に証明されていること、他の吸収性のヒアルロン酸などよりも持続期間が長いこと、新しいコラーゲン生成を促すということがレディエッセの最大のメリットです。
施術方法と経過
施術部位に注射針を用いてレディエッセを注入します。
痛みを軽減するために表面麻酔クリーム・局所麻酔注射を併用します。
注射には、内出血を起こしにくく、より均等に注入しやすい鈍針カニューレを使用します。
レディエッセ注入直後は硬さを感じますが、数日から数週間でやわらかくなり、触っても他の組織との区別がほとんどできなくなっていきます。注入後は約18〜24ヵ月かけて、経時的に分解吸収が進み、ふくらみやボリュームが徐々に減少していきます。
レディエッセの分解は均等に起こるものではないため、分解が進むにつれて経時的に段差や凹凸が目立つようになることがあります。その場合は、個々の状態や年齢、好みに応じて必要を感じた時に追加注入するこ
とが可能です(別途費用がかかります)。
施術を受けられない方
□過去に同様の施術を受けてアレルギー反応が出たことがある方
□キシロカイン、麻酔アレルギーがある方
□施術部位に感染症がある方
□施術部位にニキビなどの炎症がある方
□妊娠中または妊娠を予定している方
□授乳中の方
□体調不良または治療中の重度の疾患がある方
□感染症等に罹患している方
□施術後の経過診察のための再診に来院できない方 等
施術に注意が必要な方
下記の病気や症状がある方、下記薬剤を使用中の方は医師の判断によって施術が受けられない場合があります。
□てんかん発作
□ケロイド、瘢痕体質
□免疫抑制剤
□ステロイド製剤
□全身状態不良
□糖尿病等の慢性疾患
□抗凝固剤・抗血小板剤
□抗不整脈薬
□レーザー治療等を受けている 等
施術部位に起こる可能性がある状態(リスク)
・赤み、刺激感、しびれ感、痛みの発現・持続
・浮腫・部分的な腫れの発現・持続
・内出血、内出血後の赤み青みの発現・持続
・しこり、しこり感の発現・持続
・炎症、感染、アレルギー反応等による発赤・腫脹・疼痛の発現・持続
・施術に伴う上記以外の経過反応の発現・持続 等
施術中は必ず担当医師の指導に従って下さい。医師の指導に従わない場合、十分な施術効果を得られないだけでなく、様々な障害・合併症が発生する可能性があります。
また、施術後の管理が非常に大切であるため、これを怠ることによって個々の不都合・不具合が生じ、施術の経過、結果にも大きく影響することについて理解し、指示された注意事項を厳守する必要があります。
また、施術後の過程で異常を感じた場合は必ず医師や看護師に報告し、必要時は医師の診察を受け、その指示に従って下さい。